仕事で書き物をやっていて、特にマンガや小説などのフィクションを作っている人が、たまに言われることがある。 「いいアイデアあるんだけどあげようか?」 これを言われた人の結構な割合がムッとしている。 いらないからだ。 創作者(上から目線で嫌な言葉ですね)に、アイデアがない人などいないのである。 小説家なら「小説のアイデア」を10個や100個持っていて当たり前だし、マンガ家は「マンガのアイデア」を無数に持っている。起業家ならおびただしい数の「新しい会社のアイデア」を頭の中で泳がせている。 放っておいてもアイデアを思いついてしまって仕方がない! そういう癖(へき)を持つ人だけが、それを職業にする。 「いいアイデアあるんだけどあげようか?」 まにあっとるわい! というわけだ。 だが、彼ら創作者が勘違いされるのにも理由がある。 じっさい、彼らはアイデアがなくて苦しんでドタバタしている様子を周りに見せて