新型コロナウイルス感染症による肺炎が重症化し、一時は生命の危険すら感じたICUでの治療はヤマ場を越えた。 リハビリの時間に入った私に突きつけられたのは、コロナの治療が体にもたらした負担の重さだった。 筋力の低下、指のしびれ、一時的に失われた記憶。 「コロナは全身病です」 医師の言葉が身にしみる。 NHKで選挙の仕事をする私が、感染・発症した時の参考になればと、前編に続きコロナに感染し治療を受けた記録をここに残す。 (花岡信太郎) 【リンク】前編「人工呼吸器6日間の眠り 生還の記録」はこちら あれ、思い出せない ◆8月5日(木) 都内感染者5042人 2度のICUでの治療を終えて、ようやく一般病棟に戻った。ナースステーションのすぐ前。症状が重い患者である証拠だ。 血圧や血中酸素飽和度などのデータはナースステーションで管理され、部屋の様子はカメラでモニターされている。 まだ、風のように酸素が肺