アベノミクスがゼロ成長状態に陥ったと、このコラムで診断したのが昨年のG.W.だったから、1年が経ったわけである。この間、無策どころか、更なる緊縮財政を進め、2015年度を通じて、まったく成長することができなかった。経済状態を素直に読み、適切に対応していたら、別の結果になっていただろう。 現実には、年明けからの円高株安に驚いて、初めて経済状態の悪さに気づき、慌てて景気対策を言い出す有様である。この国は、株価で経済の舵取りをしているのか? 異次元緩和Ⅱをしたために、株価はアテにできなくなっているのに、これにみずから騙されるなんて、レベルの低さに、情けなくなってくる。 ……… 連休前に3月の経済指標が一斉に発表され、家計調査は、二人以上世帯の消費支出(除く住居等)が季節調整値で前期比+0.1となった。やれやれ、これで1-3月期GDPの消費は、うるう年効果もあって、プラスを確保できるのではないか。