(2014年11月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 安倍晋三氏が最初に首相を務めた精彩を欠く第1次安倍内閣と、超エネルギッシュで異様に活発な今回の仕事ぶりの対比があまりに著しいため、日本人は同氏を「安倍2.0」と呼ぶようになった。 2年近く前に政治的なカムバックを果たして以来、安倍氏は2007年に終わった最初の惨めな12カ月間の登板の記憶をすべて消し去る任務を遂行してきた。償いをする決意は安倍氏の職務遂行に生まれ変わったかのような情熱を与え、支持者はこれに爽快さを感じ、反対勢力は恐ろしさを覚えている。 生まれ変わったかのような「安倍2.0」 経済的には、安倍氏は20年前に日本経済が停滞に陥って以来最も野心的な経済再生計画に乗り出した。外交上は、1980年代の中曽根康弘氏以降のどの首相よりも積極的に活動し、地域と世界を飛び回っている。 防衛に関しては、日本を憲法の制約から解き放ち、正