「貴様と俺」というフレーズが何故かしっくりくるのである。 「私と豚塊肉」。ああ、ぶたかたまりにく。 あれは確か3月の半ば頃か。 夜の10時過ぎくらいに私は、トートツに、モーレツに、 「豚塊肉を蒸したく」なったのである。 豚塊肉を食べたい、のではなく、蒸したい、である。 実は私の中には、何故だか分からないが「一度でいいから豚塊肉を蒸してみたい」 という欲望があった。焼くでも煮るでもなく、ただひたすら、蒸す。 蒸し上げられてむっちりとした豚肉を想像したら、いてもたってもいられなくなり、 酔った勢いも手伝って、近所の24時間スーパーに直行。 「むんず」と、豚バラブロックのパックを掴み取り、レジでお金を払い、 急ぎ足(か、もしくは千鳥足)で帰宅。 小娘の衣服を剥ぎ取るように、肉のラップをメリメリと破き、そして。 「・・・・やっぱり、ゆでよう」 どういうわけか、突如、路線変更。フライパンの中でお湯を