半ば捨てられるように老人ホームへ Aさんは、一流大学を卒業後、一流大手機械メーカーに就職、その能力を高く評価され、最後は部長職で定年を迎えました。定年後も、会社の功労者として子会社に転籍し手腕を発揮、70歳を過ぎるまで仕事の第1線で活躍されたといいます。 その後、長年連れ添った奥様が病気で他界、独立した子供たちとは距離を置くようになり、長年住み慣れた郊外の一戸建てで1人、静かに老後を過ごしていました。ところが、80歳で脳梗塞を発症、一命はとりとめたものの右半身に麻痺が残りました。そして、広い自宅での独居生活が困難になり「老人ホームへ入居」という運びになったのです。 老人ホームでの生活ぶりをお話しする前に、脳梗塞後発症後に起きた事実について説明しておきます。 病院を退院後、半身麻痺になったAさんをどうするかの親族会議が開かれ、結果、長男夫婦が同居することになりました。長男夫婦がAさんの自宅に