スティグレールの来日が数日後に迫っているということと、ほかにもちょっときっかけがあって、ここ数日、スティグレールについてあらためてつらつらと考えていたので、そのことについて書こうと思います。内容は、スティグレールが提示している考えから遡行して、彼の師匠であるデリダを位置づけなおす、というものになるかと思います。結論を先取りして書きますが、そのパースペクティブではデリダは、二つの思想系列の交点に位置づけられることになります。すなわち、 a)ダーウィンの進化論からマルクスの唯物論へとつながる系譜 b)プラトンからはじまりカント、フッサール、ハイデガーと連なる超越論的哲学の系列 この後者の超越論的哲学の系列については、あらためて指摘するまでもないかと思います。デリダはフッサールを批判することから自身の哲学を開始させたわけですし、彼の「脱構築」もハイデガーによる西洋形而上学の破壊を別の観点からやり