(2012年5月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フランスとギリシャの選挙は我々に、緊縮疲れが広まったことを教えてくれている。これは驚くに当たらない。何しろ多くの国にとって、恐慌とデフレと絶望から抜け出す確かな出口が存在しないのだ。 ユーロという通貨同盟が通常の固定為替相場制だったとすれば、金本位制が1930年代に、ブレトンウッズ体制が1970年代に崩壊したように、制度崩壊を来すだろう。問題は、これが通貨同盟であるという事実が崩壊を遅らせる以上のことをするかどうか、だ。 オランド氏の双肩にかかる最後のチャンス 必要な変革をもたらす最後のチャンスは、新たにフランス大統領に選出されたフランソワ・オランド氏の双肩にかかっている。オランド氏は、自分の任務は欧州に「成長と繁栄の側面」を与えることだと話している。では、同氏はこの称賛すべき目的を果たせるのだろうか? 財政引き締めは、経済が縮小して