高天神城 武田家の盛衰を映す2009年8月20日11時1分 高天神城がおかれた鶴翁山=静岡県掛川市、斉藤写す 城跡に残る井戸を説明する山本邦一さん=同市、斉藤写す 遠江の高天神(たかてんじん)城(静岡県掛川市)は、武田家の栄光と滅亡を象徴した城だった。 掛川市街地から南へ8.5キロ、標高132メートルの鶴翁山を中心にした山城。三方が絶壁で、難攻不落とされた。徳川家康の家臣、小笠原氏が治める城は、徳川の遠江支配の要であり、徳川と武田の勢力争いの最前線でもあった。 武田信玄が攻め落とせず、跡を継いだ勝頼が天正2(1574)年、大軍で囲んで開城させた。名将信玄があきらめた城を落としたのだから、勝頼の武名は大いに上がったことだろう。この時、援軍の織田信長が間に合わず、おわびとして家康に黄金2袋を贈呈したのは有名な話だ。 掛川市(旧大東町)は1998年度から本丸や二の丸などの発掘調査を行ってきた。そ