病気の9割は、歩けば治りますよ 腹八分目がいい、夜更かしするな、呼吸はゆっくり大きく…。現代にも通じる健康作りの神髄を江戸時代に説いたのが、儒学者・貝原益軒の『養生訓』。しかし、そこに「歩け」という教訓は含まれていない。 「自動車も電車もない江戸時代は歩くことが当たり前。現代人は歩かないからこそさまざまな不調に悩まされています。病気の9割は、歩けば治りますよ」(医師の長尾和宏さん) それは兵庫県で町医者として多くの患者さんと接する長尾先生の実感でもある。生活習慣病で悩む人の多くは、歩く習慣を失っていたのだ。 対照的に先生が診療で多忙な日々のほぼ唯一の息抜きであるゴルフに出掛けると、そこには元気潑剌でグリーンを闊歩する高齢者が大勢いた。 「ゴルフは歩くスポーツ。健康だからゴルフができるのではなく、ゴルフで歩いているから健康なのだと思い直し、患者さんにも歩くことを薦めたら、薬なしでも生活習慣病