F1エンジンは、レースでより速く走るために、高出力と軽量化の限界に挑んでいる。重量規定のないエンジンの軽量化にこだわるのは、車両の規定重量よりできるだけ車両自体を軽くつくり、その差分をバラスト(重り)で調整するため。バラストを積む場所は自由なため、調整幅が大きければ大きいほど、車体の前後重量バランスを、コースにあわせて、より最適にセッティングできるからだ。 現在のF1のエンジンは、3リッターの自然吸気V型10気筒で、Honda F1エンジン[Honda RA005E]は、最高出力900馬力以上。 重量については、アメリカ大リーグのニューヨークヤンキースで活躍する松井秀喜選手の体重とほぼ同じである。ちなみに松井選手の体重は約95kg。 これを、Honda車のなかで排気量1リッター当りの馬力が最も高いS2000のエンジンと比較してみよう。S2000の2リッター4気筒DOHC VTECエンジンは