美少女イラストを使った米袋やポスターで話題の羽後町。約1年半前から、週末になると全国から若者が町を訪れるようになった。経済効果は1億円とも言われる。だが、規模が大きくなるにつれ、個人の趣味から生まれた企画ならではの課題が浮上してきた。観光の目玉として急成長した「美少女」はどこに向かうのか。(田中祐也) 「せーの!」。かけ声に合わせて垂れ幕が外されると、市女笠をかぶり、稲穂を手に笑顔を浮かべる黒髪の美少女が現れた。 10日、羽後町のJAうごであった美少女イラスト看板の除幕式。タテ4メートル、ヨコ2・7メートルの特大サイズに、農協関係者や地域住民ら約300人から「大きいべ」「めんけえなぁ」とため息がもれた。その様子を見ながら、JAうごの佐々木常芳課長は、この1年半を思い出していた。 「米袋に美少女イラストを描きませんか」。昨年夏、同町出身の山内貴範さん(24)と北都銀行西馬音内支店長だっ