――まずは『星界の紋章』(※1)誕生のいきさつから教えていただけますか? 森岡:「銀河帝国もの」を書いてみたいというのは、それこそ中、高校生の頃からあって、書きたくて書きたくてしょうがなくなってしまったんです。じゃあ書いてみようとなったんですね。最初は「貴族の若者が宇宙軍に入り、初めて事件に遭遇。お姉さんタイプの上官に助けられ、最後にその女性が皇族だとわかる」みたいな地味な話を考えていたんですが、これだけではさすがにつまらない。主人公は異文化で育った青年で、それが帝国の仕組みを紹介していくストーリーラインで、と考える中で「士官とお姉さんタイプの上官」が、ジント(※2)とラフィール(※3)になったのかなぁと思いますね。 ――「アーヴ」(※4)の存在を初め、「星界」シリーズ独特のSF設定が沢山ありますが、一番お気に入りは? 森岡:「平面宇宙」(※5)は、我ながら面白い物を考えたと思います。最初