文部科学省幹部が賄賂を受け取ったとされる汚職事件は、この1カ月で局長級幹部2人が起訴される異常事態に発展している。一連の事件には、国会議員の影響力を使い、省庁をまたいで人脈を広げようとした同じコンサルタントが介在していた。 「国会議員がケツ持ち(後ろ盾)になってくれる」。医療コンサル会社元役員の谷口浩司容疑者(47)は知人にこう話し、自らが国会議員の影響力を使って官僚を動かせると誇っていた。 永田町や霞が関には、議員や官僚が持つ政策や公共事業の情報を仕入れ、企業から利益を得る「霞が関ブローカー」が存在する。捜査関係者は元役員もこうした一人とし、「同種のブローカーとしては『新参者』だった」と語る。 元役員は日体大の出身で、スポーツトレーナーなどを経て、2015年に医療コンサル会社の取締役に就任。「新参者」ながらも省庁に幅広いパイプを築けたカギは、二つあった。 その一つが、谷口元役員と共謀した