東海道・山陽新幹線のぞみ34号の台車に異常が見つかったトラブルは、最初に亀裂が生じ、続いて台車枠がゆがんで部品の発熱や油漏れを引き起こした可能性が強いことが分かった。在来線や私鉄でも台車の亀裂が見つかったケースはあり、脱線に至った例もある。専門家は徹底した調査の必要性を指摘する。 車両を所有するJR西日本によると、見つかった異常は、台車枠に1カ所の亀裂▽モーターの回転を車輪に伝える継ぎ手に、焦げたためとみられる黒っぽい変色▽継ぎ手と車輪の間にある「歯車箱」付近の油漏れ--の3点。同社は「それぞれの関係は分からない」とする。 一方、鉄道システム工学が専門の永瀬和彦・金沢工業大客員教授は、亀裂が原因で台車枠がゆがみ、継ぎ手などに異常な力がかかったと見る。新幹線は最高時速300キロで走行し、継ぎ手も高速回転するため、摩擦などで熱が生じた可能性がある。