看板車種やエアバッグのリコール、業績の伸び悩みという逆風の中で登板した。出発は開発技術者だが、購買、製作所長、海外事業など歴代のホンダトップにない幅広い「現場経験」をもつ。規模の拡大よりも、まずは「ホンダらしいチャレンジングな商品」の投入で、しっかりと反転攻勢への態勢を整える構えだ。メディア各社との共同インタビューから構成した。 ◆それぞれのチームホンダが「3現主義」を実践して主体的に動く ----:就任後はまず、国内の事業所を精力的に回ったそうですが、手応えはいかがですか。 八郷隆弘社長(以下敬称略):1か月半で、約20拠点を回り終えた。マネジメント層だけでなく、多くのアソシエイト(従業員)と対話してきたが、皆さん言っていたのは、例えば『S660』や2輪の『RC213V-S』、「わくわくゲート」の『ステップワゴン』など、ホンダらしい提案が出てきているということだった。 私からは、これから