(前回2666号) Q 癌などの告知について意見を伺いたいと思います。昨今では,きちんと告知をしないと訴えられたりすることがあるようですが,精神的なショックを考えると,予後のよくないケースにも容赦なく告知をすることに私は疑問があります。先生は,告知によって衝撃を受けた患者さんのフォローなどしたことがおありでしょうか。そうした経験を含めて,告知に対する先生の考えを教えてください。(研修医・♂・28歳・内科) 恐いことは告げないでほしい A 作家の吉行淳之介は,肝癌の告知を受けた時に,一瞬の間を置いてからドクターへ向かって「シビアなことをおっしゃいますなあ」と静かに言ったそうです。作家の狼狽や必死の自制心,運命に対する複雑な感情や医師への気持ち等を含めて,この台詞はなかなか奥が深い気がします。おそらく私だったら,「え?」と問い返したまま固まってしまいそうです。いや,そもそも告知なんか受けたくな
![医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕カスガ先生の答えのない悩み相談室(9)(春日武彦)】 ( 第2671号 2006年2月20日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1e2e46157030f538ff409136814774f6af5a6473/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.igaku-shoin.co.jp%2Fcommon%2Fimages%2Fcommon%2Figakushoin.png)