大正デモクラシー時代に学生生活を送り本格的な論議に馴染んでいた父は、日本が敗戦によるアメリカの影響で論議を端折ったダイジェスト文化に汚される事を恐れていました。 勉強嫌いな私に、少しでも刺激を与えようと語ってくれた「福田徳三・小泉信三」師弟論争やアインシュタインの一橋大学訪問の興奮は、当時中学生であった私の其の後の人生に大きな影響を与えました。その様な父の影響もあり、大学では全学の学生が聴講できる特別講義は欠かさず出席するように勤めました。 特別講義の講師は国籍や時代を超えた偉大な方々で、その説得力に放心させられた事が何度もありました。単位を貰えないこの講義シリーズが、母校に一番感謝している経験です。物静かに語る偉人の講義は、折伏とは異なり物事を深く考えさせる不思議な説得力を持っていました。 中でも、故ネルー印度首相の言葉と語り振りは忘れる事が出来ません。ネルーが獄中から娘のインデイラに書
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