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ブックマーク / agora-web.jp (27)

  • 世界経済の「リオリエント」 - 『ドル漂流』

    ★★★★☆(評者)池田信夫 ドル漂流 著者:榊原 英資 販売元:朝日新聞出版 発売日:2010-05-20 クチコミを見る 菅新首相は就任記者会見で小泉改革を「デフレ下でのデフレ政策」と批判し、財政出動によるデフレ脱却を主張したが、彼がデフレとは何かを理解しているのかどうかは疑わしい。著者もいうように物価下落をすべて「デフレ」と表現することには問題があり、最近の世界経済に起きているdisinflationの最大の原因は、新興国の台頭による相対価格の変化である。 財政・金融政策によってマクロ経済をコントロールするケインズ政策は、主権国家の自律性が高かった20世紀の考え方で、グローバル化が進んだ21世紀には有効性を失った。ユニクロに典型的にみられるように、日企業とアジアの生産現場が統合されているので、国内で通貨供給を増やしても中国で生産されるジーンズの価格は変わらない。価格の下落を止めるには

    世界経済の「リオリエント」 - 『ドル漂流』
  • 2010年8月の人気記事を紹介します

    アゴラ事務局です。2010年8月の人気記事をご紹介します。 ※投稿募集ページでは、現在募集しているテーマを確認できます。あなたの投稿をお待ちしております。

    2010年8月の人気記事を紹介します
  • 破綻した電監審 - 池田信夫

    きょうの電波監理審議会で、VHF帯の「携帯向けマルチメディア放送」について答申を出せないという異例の事態になった。これまで電監審は、総務省から諮問された通りに数時間で答申するのが慣例となっており、即日答申できなかったのは総務省はじまって以来だという。 こうなることは、関係者が予想していた。この帯域ではドコモ=民放グループとKDDI=クアルコム・グループが対立して譲らず、6月25日に公開ヒアリングをやり、7月21日に非公開でヒアリングをやり、27日にまた公開でやり、8月3日に民主党の勉強会で説明し、その場で民主党から「総務省が勝手に決めるのは許さない」と強硬な申し入れがあったからだ。その結果、総務省が事業者を決めずに諮問したため、電監審の委員は決められなかった。そもそも次のメンバーでは、決めようがないだろう。 原島博:東京大学名誉教授(会長) 小舘香椎子:日女子大学名誉教授(会長代理) 松

    破綻した電監審 - 池田信夫
  • 視野の狭い日本経済論 - 『日本経済のウソ』

    ★☆☆☆☆(評者)池田信夫 日経済のウソ (ちくま新書) 著者:高橋 洋一 筑摩書房(2010-08-06) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 著者はみんなの党のブレーンなので、書にもその「アジェンダ」とよく似た話が出てくる。今後の混沌とした国会情勢の中で、みんなの党がキャスティング・ボートを握る可能性もあるので、その経済政策を知るにはいいだろう。 しかし残念ながら、タイトルに反して日経済全体の話はほとんど出てこず、もっぱら金融政策、それも「日銀がデフレ・ターゲットで不況を悪化させている」といった話が繰り返される。クルーグマンもいうように、結果的に日がデフレから脱却できないからといって、日銀が意図的にデフレにしていることにはならない。こういう陰謀史観は、著者の学問的信用を落とすだけだということに気づいたほうがいい。 著者はリフレ派として知られているが、ゼロ金利のもと

    視野の狭い日本経済論 - 『日本経済のウソ』
  • 多様性の利益 - 池田信夫

    新卒一括採用については「ケースバイケース」という意見が多いようだが、それは現在の雇用慣行を前提にしてのことだろう。そもそも均質な人材をそろえる日の雇用慣行は、生産性に貢献しているのだろうか。今年の経済財政白書に、ちょっとおもしろい調査があったので紹介しておこう。次の図は、日の産業別の生産性(TFP)上昇率の平均と分散をみたものだ。 製造業・非製造業ともに、分散の大きい産業は平均も大きいことがわかる。分散は生産性の高い企業から低い企業までの多様性を意味するので、これは多様な企業のある産業ほど生産性上昇率が高いことを意味する。特に生産性上昇率の飛び抜けて高い電気機械が多様性も大きいことは、ITイノベーションにとって多様性が重要であることを示唆している。他方、多様性が最小の建設業の生産性上昇率はマイナスで、これは公共事業の比率が高いことが影響しているものと考えられる。 同じように、開業率・廃

    多様性の利益 - 池田信夫
  • 政界再編で「老人党」と「若者党」に - 池田信夫

    民主党が大敗したことで、政局は行き詰まってしまった。ねじれができたまま衆議院で再可決もできないので、「パーシャル連合」による不安定な政策運営が続く可能性がある。しかし民主党とみんなの党が組んでも、参議院で過半数にならないので、民主・自民の大連立が選択肢の一つになるだろう。自民党の谷垣総裁は「可能性はゼロ」と否定しているが、これはそれほど奇抜な組み合わせではない。両方ともバラマキ志向の「大きな政府」派という点では大した違いがないからだ。 しかし衆議院では、民主党と自民党が連立すると422議席と、全議席の87%を占める。この巨大与党が一致して行動することはむずかしいので、おのずから二つにわかれるだろう。この場合の対立軸は、世代になるのが自然だ。以前の記事でも紹介したように、日の税と年金の負担と受給の差は、50代がほぼプラスマイナスゼロで、60代以上は大幅な受給超過、それ以下は負担超過である。

    政界再編で「老人党」と「若者党」に - 池田信夫
  • 資本の論理と沖縄観光 - 樋口耕太郎

    経済全体が失速し続ける中、重要な外貨獲得手段のひとつとして、今後の日向けインバウンド観光の成長戦略が重要性を増していますが、観光立県を目指す沖縄は、この国家戦略においてて重要な役割を果たす責務を有していると思います。しかしながら、少なくとも私の認識において、観光地としての沖縄は数年前にピークを打ち、かつての熱海、宮崎、グアムなどのように、一時繁栄を謳歌した後に凋落して行った無数の「観光名所」とほぼ同様の道筋を辿っているように思います。「観光立県」沖縄の実態*(1) は、世の中に普通に存在する原材料に「沖縄」の名を付して、質の低い高額商品を観光客や土消費者に販売する「ぼったくり型」の慣行が定着し、県産品やみやげ物をはじめ、価格に到底見合わない品質の事、夏のハイシーズンに法外なほど高騰する宿泊価格、低単価の顧客を多数詰め込むリゾートホテルのマーケティング、リゾート地に似つかわしくない

    資本の論理と沖縄観光 - 樋口耕太郎
  • 役人に言論の自由はない! - 北村隆司

    福島社民党首は「官僚の答弁を禁止する国会法改正」に反対して「役人の答弁禁止は表現の自由や国会審議を侵害する。内閣法制局の答弁を制限するということもあってはならない」と主張されました。 呆れた主張です。「自衛隊」の合憲性を巡って「内閣法制局」には永年に亘り誤魔化され、「核持込密約」「薬害事件」「社保庁問題」など社民党の看板政策で役人には騙され続けながら、今でもその答弁を聞きたがる福島党首の心理状態は想像も出来ません。 法律にど素人の私が、弁護士の福島氏に法律解釈で挑戦する事は無謀ですが、憲法をないがしろにした福島発言を看過する事は出来ません。 そもそも憲法というのは、公権力が守るべき法規範(日国憲法99条)で、「自由」というのは、公権力が干渉できない領域です。その意味で、好き勝手という意味の「自由」と憲法上の「自由」を混同されているのは悲しい事です。公権力を有する者が、公権力の行使の過程で

    役人に言論の自由はない! - 北村隆司
  • 「政策より政局」で決まった郵政国営化 - 池田信夫

    郵政の西川社長が更迭され、その後任に斎藤次郎・元大蔵次官が決まった。彼は16年前の細川政権のとき、小沢一郎氏と一緒に「国民福祉税」を打ち出して失敗し、自民党が政権を奪回するとともに事務次官を事実上更迭された。かつて日銀総裁の候補になった武藤敏郎氏を「天下り」だとして拒否した民主党が、民間企業である日郵政の社長にその先輩を起用する無定見には、あきれるしかない。 この人事に象徴されているように、郵政民営化とその巻き戻しは、経済政策としての合理性と無関係なところで行なわれてきた。もともと小泉首相が2005年の総選挙で民意を問うた郵政民営化は、当時すでに政治的な争点としての意味はなかった。高橋洋一氏も指摘するように、財投改革で資金運用部を廃止したため、自主運用で利益を上げることは制約の多い国営のままでは無理だったからだ。 特に融資のノウハウをもっていないため、融資部門を整備して、8割以上を国

    「政策より政局」で決まった郵政国営化 - 池田信夫
  • ダーウィンと神とイモムシ - 岡田克敏

    「恵み深く全能の神が、イモムシの生きた体の中で養育するという明確な意図をもってわざわざヒメバチ類を造られたのだと、私はどうしても自分自身を納得させることができません」 これはチャールズ・ダーウィンが友人に宛てた手紙の一節です(*1)。ヒメバチ類は他の生物の体に卵を産みつけます。孵った幼虫は宿主の体をべて成長し、やがてその体をい破って外に出ます。イモムシの体から数多くの幼虫が飛び出す光景はまことにおぞましいもので、映画「エイリアン」の、人間の体からエイリアンが飛び出す衝撃的なシーンそっくりです。 以前、私の子供が野菜についていたアオムシを育てていたとき、突然幼虫が飛び出すのを見て欲をなくしました。これはアオムシコマユバチで、モンシロチョウの幼虫に寄生します。(幼虫図鑑 動画・・・繊細な方には動画をお薦めしません) ダーウィンでなくとも、これが慈悲深い神が造ったものとは信じられません。体

    ダーウィンと神とイモムシ - 岡田克敏
  • 優秀な兵士と最悪の将校 - 池田信夫

    先週の夏野さんの起業塾セミナーも、すごい盛り上がりでした。印象に残ったのは、「日には実力がある。人も金も技術も十分あるのに実力が生かせない原因はたった一つ、決める経営者がいないからだ」という彼の話でした。昔から「日軍の兵士は世界一優秀で勇敢なのに、将校は世界最悪だ」とよくいわれますが、私は両者はなのにではなくだからで結ばれていると思います。 日の社員は上司が命令しなくても仕事を起案し、遅くまで残業してやり遂げる。この自発性の高さは、日では当たり前ですが、海外のスタッフと一緒に仕事をすると、1から10までこっちが指示しないと動かない上に、できあがったものは使えない、といった経験をよくします。それに比べれば、日の管理職の仕事は現場の仕事を調整するだけでいいので、人柄がいいだけでつとまる、というのが決めない経営者の多い一つの理由でしょう。 もう一つ、このような現場のモラールの高さを支え

    優秀な兵士と最悪の将校 - 池田信夫
  • 新聞ボス追放Twitter蜂起の奨め!- 北村隆司

    徹三さんの「新聞とウエブとの関係」を読み、私がサム・ヴェナブル氏の真意を正確に伝えていなかった事と、日米の言論人の責任感やプロ意識に大きな違いがある事に気がつきました。 私の主観に過ぎませんが、米国の報道人のプロ意識は日の匠を思わせる強さを感じさせ、日のサラリーマン記者の比ではありません。巨匠が自作に銘を彫る如く、記事への署名も怠りません。 アメリカの言論人の多くは、マスメデイアがアメリカ国民の信頼を失いつつある事を良く認識しており、セレブ化したジャーナリストの傲慢さや怠慢を厳しく自己批判し始めました。 ヴェナブル氏のスピーチは「樫の木に群がる蛾」の比喩や「USエアー機のハドソン川着水」のニュースを発生から5分後には動画を交えて世界に伝えた、ブログ、ウエブTwitterなどの新技術の持つ速報性や多様性の特徴を称えつつ、伝統的メデイアの情報収集力や分析能力の重要性は変らないと訴え、プ

    新聞ボス追放Twitter蜂起の奨め!- 北村隆司
  • 民主党は「郵政国営化」をめざすのか - 池田信夫

    郵政をめぐるドタバタは、西川社長の続投と減給処分が出ても決着せず、民主党など野党三党は、西川社長の辞任を求めて集中審議を要求することを決めました。「官から民へ」をスローガンとする民主党が郵政国営化を求めるのはどういうことか、鳩山由紀夫代表は論理的に説明する義務があります。 今回の騒動は鳩山邦夫総務相のひとり芝居で、結果的には違法行為は見つからなかった。そもそも総資産100兆円を超える簡易保険の中で、100億円の資産売却だけをこれほど騒ぐ意味があったのか。かりに入札をやり直したとして、今回より高く売却できるのか。もっとも重大なのは、日郵政の取締役会が西川社長の続投を決めたのに、総務相が独断でそれをくつがえそうとしたことです。これでは何のために民営化したのかわからない。 同じように特殊会社として民営化されたNTTJRも、株主である財務省は株主総会には出席するが、何も発言しません。経営は

    民主党は「郵政国営化」をめざすのか - 池田信夫
  • 算数のできない人が作った裁判員制度 - 岡田克敏

    数学嫌いは法学部を選択する傾向があると言われます。文系では法学と経済学が実学の主流ですが、経済学にはある程度の数学が必要ですから、法学部には数学嫌いが集積している可能性があるというわけです。むろん法律家は数学に弱いなどと一般化するつもりはありませんが、裁判員制度を見る限り、これは数学嫌いの人たちが作ったのではないかという印象を強く受けます。 この制度は、以下に説明するように数量や確率といった数学的な思考を欠くだけでなく、基的な論理にも疑問があります。 そして現実から遊離した、原理主義的な理念ばかりが目立ちます。ここではそういった視点を中心に、裁判員制度を見ていこうと思います。 『民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば』 このチャーチルの有名な言葉は民主主義を盲信する者に対する警告と受けとることができます。 そして、民主主

    算数のできない人が作った裁判員制度 - 岡田克敏
  • あるべき「検察」「法曹」への期待 ー 矢澤豊

    「検察に『勝利』はなく、『敗北』もない。」 The Prosecution neither triumphs nor suffers defeats. 私がイギリスで法廷弁護士(Barrister バリスター)の勉強をしていた時、講師として教壇に立った現職の勅撰弁護士(Queen’s Counsel)が開口一番に言った言葉です。 検察の役目は公判という場における、真実の探求の一助となることであり、そこに評決/判決という結果をもって「勝利」もしくは「敗北」という自己評価を行う必要はない、というのがその主旨です。 もちろんこれは、対審主義(adversarial process)をとる英米法における刑事訴訟制度をふまえた話です。またイングランドのように、法廷における代弁者(advocate)としての法廷弁護士(バリスター)と、依頼者の代理人(attorney)としての事務弁護士(ソリシター)、

    あるべき「検察」「法曹」への期待 ー 矢澤豊
  • 小沢一郎氏は身を捨てて民主党を救え - 池田信夫

    西松建設の事件で小沢一郎氏の公設秘書が起訴されましたが、小沢氏は続投を表明しました。といっても、人は記者会見で「続投する」と明言せず、記者団から「続投ということでいいのか」と質問されても言葉を濁す、奇妙な会見でした。「当面は」とか「国民が決めること」といった逃げ道が用意され、断固たる決意は感じられません。 政治資金規正法の問題としては、虚偽記載の事実関係ははっきりしています。秘書も「西松からの献金と認識していた」と供述しているようなので、有罪になる確率は高いでしょう。「国策捜査」だという批判には、根拠がない。これだけ証拠がそろっていれば、起訴しないほうがおかしい。むしろ問題は、なぜこれまで立件しなかったのかということです。日歯連事件自民党事務局長の起訴を見送った判断と比べると、ダブルスタンダードの感は否めない。 この程度の政治資金規正法違反は、政治家にとってはスピード違反みたいなもので

    小沢一郎氏は身を捨てて民主党を救え - 池田信夫
  • 日本は「お任せ封建土候国」(「論争の不在」を読んで) - 北村隆司

    大正デモクラシー時代に学生生活を送り格的な論議に馴染んでいた父は、日が敗戦によるアメリカの影響で論議を端折ったダイジェスト文化に汚される事を恐れていました。 勉強嫌いな私に、少しでも刺激を与えようと語ってくれた「福田徳三・小泉信三」師弟論争やアインシュタインの一橋大学訪問の興奮は、当時中学生であった私の其の後の人生に大きな影響を与えました。その様な父の影響もあり、大学では全学の学生が聴講できる特別講義は欠かさず出席するように勤めました。 特別講義の講師は国籍や時代を超えた偉大な方々で、その説得力に放心させられた事が何度もありました。単位を貰えないこの講義シリーズが、母校に一番感謝している経験です。物静かに語る偉人の講義は、折伏とは異なり物事を深く考えさせる不思議な説得力を持っていました。 中でも、故ネルー印度首相の言葉と語り振りは忘れる事が出来ません。ネルーが獄中から娘のインデイラに書

    日本は「お任せ封建土候国」(「論争の不在」を読んで) - 北村隆司
  • 民主党は再就職等監視委員会の人事案を審議せよ - 池田信夫

    公務員の天下りを監視する再就職等監視委員会の人事案が再度、国会に提示されました。メンバーは同じで、民主党は今回もこれを不同意とするもようですが、この戦術は考え直してはどうでしょうか。渡辺喜美氏の騒動でも明らかになったように、民主党が監視委員会を拒否すると、結局は各官庁が今までどおり斡旋するだけです。麻生首相は1年後には天下りを全廃すると表明したのだから、それまで1年間だけでも監視委員会の審議を通じて、天下り廃止後の公務員のキャリアプランを考えてはどうでしょうか。 「天下り絶対反対」という民主党の方針は、選挙向けにはいいのかもしれないが、官僚のキャリアパス全体を見直さないで天下りだけつぶしても、斡旋が水面下にもぐるだけです。官庁の人事システムも「勇退」を前提にしてできているので、いきなり変えるのは無理だし、若いとき役所に「貯金」してきた彼らを急にホールドアップするのは不公正です。少なくとも経

    民主党は再就職等監視委員会の人事案を審議せよ - 池田信夫
  • 郵政民営化とは何だったのか - 池田信夫

    麻生首相の郵政民営化をめぐる発言が、また二転三転して批判を浴びています。しかし私は、これはある程度やむをえないと思います。郵政民営化は何のためにやったのか、いまだにはっきりしないからです。 これを法案化した高橋洋一氏もいうように、問題の「丸」は財投改革であり、それはほとんど注目されないまま90年代に終わっていました。資金運用部を解体して、郵便貯金を全面的に自主運用にしたことは、当時は郵便局長に歓迎されたそうですが、実は郵貯は非常に大きなリスクを抱え込むことになりました。彼らは資金運用のノウハウをもっていないので、300兆円を国債などの低金利商品で運用したら、高金利の定額貯金は逆鞘になってしまうのです。 だから郵政民営化によって運用の自由度を広げ、郵便局を合理化することは、むしろ郵貯の生き残りのために必要な内部改革で、国政選挙で問うような問題ではなかった。あと5年も放置していれば、郵貯に大

    郵政民営化とは何だったのか - 池田信夫
  • リフレ派の敗走 - 池田信夫

    昔々あるところに、「リフレ派」という(自称)経済学者がいました。リフレーションというのは要するにインフレのことで、「インフレ派」というのは格好が悪いので、こういう名前にしたんだそうです。こんな奇妙な「派閥」が存在するのも日だけで、ガラパゴス経済学の典型です。 彼らの主張は「日銀がお札を刷ってインフレにすれば、日はデフレから脱却できる」というものです。このもとになった1998年のクルーグマン論文はなかなかよくできており、私も最初読んだときはなるほどと思ったものです。彼の論理は単純で 日の不況の原因は「貸し渋り」ではなく、投資需要が低くて自然利子率がマイナスになっていることだ。 名目金利をマイナスにすることはできないが、インフレを起こせば実質金利(名目金利-物価上昇率)はマイナスになる。 しかしゼロ金利では国債と貨幣は同じになるので、いくら貨幣を供給してもインフレにはならない。 中央銀行

    リフレ派の敗走 - 池田信夫