第159回 金融大地震に世界がやるべきこと、日本ができること(2) 経営コンサルタント 大前 研一氏 2009年1月14日 前回述べたように、2008年9月以降の世界金融危機の大地震は、年が明けた現在でも簡単には収まりそうにはない。サブプライムショックに端を発し、リーマン・ブラザーズ破綻によってあっという間に世界中を揺るがすにいたったこの大地震、そのもう一つの活断層とも呼べるのがシティバンクの問題である。 世界最大の銀行であるシティバンクのバランスシートを見てみると、優良資産(グッドバンク部門)が1兆7440億ドル、不良資産(バッドバンク部門)が約3000億ドルある。一方で負債総額は1兆9240億ドル、資本金が1260億ドルある(さすがに世界最大の銀行だけあっても資産も負債も桁違いだ)。以上の数字を頭の中に留めていただいた上で端的に言うと、当座のシティバンクが抱える問題は複数あるが、筆