体内で周期的に増減を繰り返すタンパク質がリズムを刻むのに、遺伝子の空白部分「イントロン」が重要な働きをしていることを、京都大ウイルス研究所の影山龍一郎教授たちのグループが突き止めた。機能が詳しく分かっていない「イントロン」と体内時計の関係を解明した。米国科学アカデミー紀要で8日発表する。 遺伝子には、タンパク質を作るのに直接必要でない情報が書き込まれた部分「イントロン」が存在するが、機能は不明な部分が多い。 影山教授たちは、マウスを使った実験で、胎児期に肋骨(ろっこつ)や背骨など体の骨格を規則正しく作るために2時間周期で増減を繰り返して働くタンパク質Hes7の遺伝子から、「イントロン」を取り除いた。その結果、Hes7は一定量を保ったまま増減しなくなり、骨格が正しく作られず、マウスは生後すぐに死んでしまった。「イントロン」をなくしたことで、遺伝子からタンパク質が作られるのにかかる時間が短