ゴムのように伸び縮みする上に強度も高い、鉄を主成分とする形状記憶合金を田中優樹東北大研究員(組織制御学)らの研究チームが開発、19日付の米科学誌サイエンスに発表した。田中さんは「支柱に使えば、震度7級の地震でも倒壊せず、傾いても自然に復元する建物が可能になる」と話している。 形状記憶合金は、加工しにくいことが実用化への難点で、素材の改良が続いていた。鉄やニッケルなどからなる従来の形状記憶合金の成分を一部変更。熱処理を加えて、結晶が同じ向きにそろうよう工夫した。 その結果、これまでの形状記憶合金より約2倍の伸縮性を持つ合金ができ、10%程度変形させても元に戻った。強度はステンレスより高い上、板状への加工などもしやすいという。この合金を使った建物は、5倍の制震機能が得られると試算。ほかに、血管に入れるワイヤなどの医療用器具としても期待できるとしている。 共同通信 http://www.47ne