言葉はいつも、こだまのようだ。 それは、口から出たものか指先から出たものかに依らず、発すれば、いつまでもいつまでも反射を繰り返して、僕らの想像の及ばないところまで、遠く遠く届いていく。そして、長かったり短かったりの時を経て、やがてまた、自分のもとに戻ってくる。エコー。 僕は、目の前の誰かに話すのも、遠い山に暮らす誰かに話すのも、実はまったく変わらないんじゃないかなって思っている。 「ヤッホー! 僕の話を聞いてよ!」なんて、ただ、情熱をもって発するのみ。 大切なのは、それだけじゃないかな。 今、生まれようとする僕ら文鳥社は、自由な出版レーベルだ。 本が好きで、言葉に救われてきた僕らが作る、在野の意気だ。 京都・荒神橋に生まれつつある僕らは、たった二人で、それが、とてもとても軽やかなんだ。 誰でも一生に一冊は本が書けるなんて聞いたことがあるけれど、それは嘘だと思う。だって、本を書くって途方もな