「辺境ばかりを選んでいるわけではないんです。どこにでも個性はありますが、短期の旅では辺境ほど強烈な個性に遭遇することが多いように思います。私の旅は、定期的な強力カンフル剤、『ナゼ?』が多く降りかかってくる可能性の高い辺境を選ぶのかもしれません」と言うのは、コンピュータプログラマーであり、クリエイター集団assistantの非常勤メンバーでもある須之内元洋(〔すのうち もとひろ〕以下、須之内)。今年からソニー(株)に勤務している。須之内の旅は、ヒマラヤの奥地、チベットよりチベットらしいといわれる北インド・ラダック、中国の北西端の新疆ウイグル自治区、この7月にはアラビア半島南西部の砂漠地帯イエメンへ。テロリストの潜伏が懸念され治安に問題がありそうなイエメンを、人も町も自然もアラビアンナイトを思い起こさせるすてきな土地、と言う。この定期的な強力カンフル剤の効能は、秘境の貴重な素顔を写真に残すだけ