他者についてコメントする際、社会的評価を低下させることがないように配慮することが必要です。そのための表現として、断定せずに「疑い」にとどめておくという方法が広く用いられています。 薬物使用、粉飾決算、反社団体との関係など、ネガティブな話題について記述する際には、「疑い」にとどめておいた方が社会的評価の損害が少なくなる可能性があります。 裁判においては、このような「疑惑」という表現はどのように評価されているのでしょうか。 判例を紹介しながら解説していきます。 「疑惑がある」の場合特定非営利活動法人とその理事長が、週刊誌に対し、「掲載された記事により名誉が毀損された」と主張して損害賠償を求めた事例があります。 訴訟の経緯週刊誌に掲載された記事は、「7千万円“横領”疑惑」というキャッチコピーで、 年間約1億円の補助金を受けているが、金の流れが不透明であり、理事長は報酬以外にダミー会社を設立し、こ