明治~昭和:めがね産業に着目し、世界最高水準のめがね産地に成長する 福井県鯖江市は、めがね産業で有名だ。めがねフレームの国内生産シェア約96%を誇る産地の中心で、市をあげて「めがねのまちさばえ」をアピールしている。鯖江駅からめがねミュージアムまでの道は「めがねストリート」と名付けられており、市内のところどころでめがねを模した装飾を見掛ける。人口は約7万人。めがねの他にも漆器や繊維の生産も盛んな産業の地だ。 福井県の冬は寒さが厳しい。かつて、足羽郡麻生津村庄野(現 福井市生野町)の増永五左衛門と弟の幸八が「冬の農閑期に収入を得る手段はないものか」と模索し、めがねづくりに着目し、明治38年(1905年)に大阪からめがね職人の米田与八らを招き、この地域でめがね作りが始まった。続いて東京から豊島松太郎を招いて技術向上に務めていく。 職人から手ほどきを受けた連中を親方に据えた「帳場制」(制作グループ