(前回のあらすじ) 2002年,わたし(写真1)はIPA(情報処理振興事業協会:Information-technology Promotion Agency, Japan)が主催する,情報化人材発掘/育成関連プロジェクト「未踏ソフトウエア創造事業」(以下「未踏=みとう」)に挑戦。合格率14%の難関を突破して,メモリー・プロファイリング・ツールの開発に着手した。しかしプロジェクト・マネジャ(PM)の要望で開発レベルが上昇。ようやく解決方法の糸口を見つけたが,締め切りまで残り3カ月しかなかった…。 2002年10月,わたしは迷っていた。Linuxカーネル・チューニング用のメモリー・プロファイリング(データ収集)ツール――その開発に,当初わたしは,x86系プロセサに搭載されている性能モニタリング機能を利用しようと思っていた。だが,その方法が本当にベストかどうか,確信が持てなかった。また,開発ス