暗く見える「海」の多い月の表(左)と、白く見える「高地」が多い裏。地球に向いた「表」にある点線で囲まれた大きな円の内側が、巨大衝突の痕跡とみられるプロセラルム盆地(中村研究グループ長提供) 産業技術総合研究所などの研究グループは、月で約40億年前に起きたとされる巨大衝突の痕跡を見つけたと発表した。 29日の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載される。 地球側に向いた月の表側には、暗く見える「海」と呼ばれる地形が多く、裏側は白く見える「高地」と呼ばれる地形が多い。 研究グループは、月探査衛星「かぐや」が2007年から09年に観測した約7000万地点のデータを解析、衝突時にできた物質に含まれる「低カルシウム輝石」と呼ばれる鉱物の分布を調べた。その結果、この物質は、月の海の大半を占める直径約3000キロ・メートルのプロセラルム盆地付近に多く分布していることがわかった。 研究グループは、