パナソニックが完全子会社の三洋電機の白物家電事業(冷蔵庫と洗濯機事業)を中国家電最大手のハイアールグループ(海爾集団)へ2011年度中に売却すると発表し、波紋を広げている。パナソニックは三洋と白物家電事業が重複しており、経営合理化のためには重複解消が急務だった。 しかし、中国最大手のライバルメーカーに三洋の技術や海外販売網を譲渡すれば、パナソニックにとって価格競争力で勝るハイアールが脅威となりかねない。三洋の重複部門の切り売りが結果的に「敵に塩を送る」ことになりはしないか――。そんな懸念が業界でささやかれている。 売却は三洋の冷蔵庫と洗濯機関連の子会社など9社 パナソニックがハイアールに売却するのは、三洋の冷蔵庫と洗濯機関連の子会社など9社。国内では洗濯機を開発する完全子会社の三洋アクアや、ハイアールとの合弁で冷蔵庫を開発するハイアール三洋エレクトリックなどを売却。東南アジアではインドネシ