再現模造とオリジナルとの見比べ 紫地鳳形錦御軾むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく(錦張りの肘おき) 北倉 紫地鳳形錦御軾(宮内庁正倉院事務所提供) 聖武天皇の美しい錦仕立ての肘おき 再現模造とは、宮内庁正倉院事務所主導により、昭和47年(1972年)からおこなわれている模造事業で制作された宝物です。最新の科学技術による分析・調査結果に基づいて原宝物と同じ材料、技法、構造で現代の匠の技により、奈良時代当初の姿を限りなく忠実に再現した「もうひとつの正倉院宝物」ともいえる存在です。 「紫地鳳形錦御軾」とその再現模造について説明する三本周作主任研究員 奈良国立博物館で本展を担当する三本周作主任研究員によると、2019年の「正倉院の世界展」(東京国立博物館)以外で、これだけまとまっての再現模造とその現宝物がセットで出陳されるのは、奈良博の正倉院展としてはおそらく初とのこと。「とても珍しい機会で