素人が頭の中で設計し、建築基準法も耐震基準も超越して5階建てのマンションを建ててしまう。その脱法マンションで今も100人以上が楽しく暮らし、行政も半ば黙認――。あり得ないような話だが、そんなマンションが高知市に実在する。4階には池、屋上には畑があり、部屋数は実に70近い。香港のスラム街「九龍城」にも例えられるそのマンションの名は、沢田マンション、通常「沢マン」だ。アヴァンギャルドを象徴するかのような沢マンだが、最近は別の顔も見せつつある。ゴールデンウイークに実際に宿泊させてもらい、沢マンの今を体感した。