「盛り上がる位置情報サービス」の続き。 GPS測位は、屋外での見通しのよい場所では、非常に有効な技術だ。ところが前述のように、状況によっては初期位置取得時間(TTFF)が長くなってしまう場合がある。また建物内部や地下では正確に位置座標を算出できないという弱点もある。現在、これを助けるさまざまな手法が提案されている(図3)。 そのうちの1つである「エフェメリスデータ予測」は比較的新しい機能だ。測位技術に関連した学会に2002年~2003年ころに登場し、ここ2~3年で注目が集まってきた。エフェメリスデータ予測は、本来ならばGPS信号から得ていたエフェメリスと呼ぶGPS衛星の詳細な軌道情報を、受信機の側で予測するという技術である。これをうまく予測できれば、初期位置取得時間を大幅に短縮できる。 初期位置取得時間は、受信機でGPS信号を捕捉するまでの時間と、GPS信号を復調して航法メッセージを受信す