坂本真綾という人は、実に困った人だ。まず紹介が難しい。音楽、舞台、声優、ラジオパーソナリティ、執筆…どれも五ツ星の仕事ぶりで、本業なんて言葉でくくれない。 その上に、満を持して発売された最新刊『満腹論』(坂本真綾/KADOKAWA 角川書店BC)である。『月刊Newtype』で2008年に始まり、現在も好評を博し続いている連載をまとめた“7年モノ”のエッセイ集…なのだが。これにはもっと困っている。内容も文章も文句ナシの五ツ星で、坂本さんを知る人にも、知らない人にも、純粋に「面白いエッセイ」としてオススメできる! なのに表紙ときたら! マレーシアの屋台街で美味しそうな料理に囲まれた坂本さんの写真。「世界を食べつくせ」の自筆文字。「満腹論」のロゴ。おまけにイラストは「劇団イヌカレー」さん。誰がどう見てもグルメ本と思うでしょうに! 違うってことを…この本の魅力をどう伝えればいい!? いっそ本人に