2011年6月、大阪府の橋下徹知事は「大阪維新の会」で過半数を制している府議会で、公立学校の教員に君が代を起立斉唱するよう義務付ける「君が代条例」を可決成立させた。話題の新刊『「規制」を変えれば電気も足りる』(小学館101新書)で日本をダメにする役所の「バカなルール」を総覧している元経産省キャリア官僚の原英史氏(現・政策工房社長)がその意味を解説する。 * * * この「君が代条例」について、「そんなことをわざわざ条例で……?」と首をひねる人もいるだろうが、問題を民間企業に置き換えて考えてみるとわかりやすい。 君が代斉唱はあまり聞かないが、例えば朝礼で創業者の遺した社訓を「ひとーつ……、ふたーつ……」とみんなで唱えるなんて会社は今でもある。内心では「勘弁してくれよ」と思っている社員もいるだろう。だが、一人だけ椅子に座ってそっぽを向いたりはしない。そんなことをしたら、上司や人事部にに