今回は寝酒を取り上げてみたい。「百薬の長」から「史上最悪の合法ドラッグ」まで酒ほど毀誉褒貶の激しい嗜好品もないだろう。では睡眠にとって酒とは吉か凶か? その問いに対する答えは至ってシンプルである。 「晩酌はよいが、寝酒はダメ」 このように回答すると必ず出てくる第二の質問は、 「晩酌と寝酒はどう違うのか?」 「寝酒でなく晩酌をしているつもりだが」 酒好きの一人として、分かります、その気持ち。諦めきれない諸氏のために少し譲って「睡眠に悪さをしない晩酌」の楽しみ方を解説すると、 「晩酌は就寝の3〜4時間前に終えてください」 ここで多くの方はガックリと肩を落とす。就寝の4時間前なんてまだ仕事中の人も少なくない。悠々自適のリタイア世代でもなければこんな早い時間帯で「晩酌」を終えるのは難しい。しかし実際のところ、就寝の少し前まで飲み続けていたのでは睡眠への悪影響は避けられないのである。