外国人労働者の受け入れ拡大に向け、安倍政権が新たな在留資格の創設へ動き出した。人手不足に悩む業界や中小企業からの要望が、受け入れ拡大に消極的だった政権の背中を押した。働く外国人が急増し、日本社会の風景を変える大きな政策転換となる可能性がある。期待感が広がる一方、対象拡大は拙速だとの指摘も多い。 政権の方針転換を主導したのは、急激に進む人手不足に危機感を抱いた菅義偉官房長官だった。 「介護施設を開設しても介護福祉士不足で使えない。なんとかしてほしい」 昨秋、菅氏の元に民間の介護事業者からこんな声が寄せられた。調査を指示すると、介護施設が人材不足で定員の8割程度までしか受け入れられないという結果が出た。厚生労働省の需給推計では、2025年度には、介護人材は約34万人不足すると見込む。 少子高齢化も踏まえ、早期に対策を講じた方がいい――。菅氏が安倍晋三首相に掛け合うと、首相は「移民政策はだめだけ