ミレニアム騒動がひと段落した2000年の春。多くの同級生が大学卒業を迎えた。 一浪してたせいもあって、数人の友達はそれより一年早く社会に巣立っていったが、多くは一浪組。この年に卒業を迎えていた。 僕はというと97年の初夏に大学を中退してから、特に何か定職に就くわけでもなく、ぼんやりと地元のカラオケ屋でアルバイトを続けていた。友達が大学生の内はなんだか自分まで学生気分で「まぁいいや」と毎日を過ごした。昼過ぎに起きてワイドショーを見たりゲームをしたり。夕方になりカラオケ屋に。数時間働いて帰宅。常にお金は無く、「財布を気にせずファミレスで食べたい」というのが直近の目標だったり。そんな毎日。新入社員として散っていった友達はスーツを着て毎日働いていた。 4月。友達が僕の誕生日会を開いてくれた。会社帰りにスーツで登場する友達。なんか随分先に行ってしまったような焦燥感を感じた。 集まった友達の一人が「知