高齢化や過疎化が進み、公共交通機関が少ない中山間地域で住民の移動手段を確保しようと、国土交通省が9月から「道の駅」などを拠点とし、自動車の自動運転の実証実験を始めている。全国13カ所で行う予定で、11月には近畿圏内で初めて、滋賀県東近江市蓼畑(たてはた)町の道の駅「奧永源寺渓流の里」を発着点とするルートで実験が行われた。未来の足となることが期待される自動運転車だが、実験を通じてはさまざまな課題も見えてきた。(北野裕子) 20人乗りマイクロバスで 国は平成32年までに過疎地での自動運転車の実用化を目指しており、今回の実証実験は実際に公道を走らせて、機能や安全性、コスト面を検証するのが狙い。9月に行われた栃木県栃木市西方町を皮切りに、各地で実験が進んでいる。 実験で使用される自動運転の車両は、衛星利用測位システム(GPS)やセンサーなどを使い、道路上での車の走行位置や、対向車や障害物など周囲の