大動脈弁狭窄症(aortic stenosis;AS) ■概要 大動脈弁狭窄症は大動脈弁口が狭くなり、収縮期に左室から大動脈へ血液の駆出が障害される。 ■病因 成人の場合、 ①リウマチ性:半月弁の交連部が癒着し、通常は僧帽弁にも異常をともなっていることが多い。 ②先天性(主に二尖弁の石灰化) ③加齢性(退行変性による石灰化):大動脈弁の底部から弁尖にかけて全体に石灰化が生じて弁の可動性は制限される。リウマチ性とは異なり、交連部の癒着性変化は少ないとされている。 •リウマチ性は減少し、高齢者や長期血液透析患者の石灰化弁、大動脈二尖弁が増加傾向。 •大動脈二尖弁は約1%と比較的頻度の高い先天性心疾患である。弁への機械的負荷が大きく、正常の三尖に比べると石灰化が早く進行する。 •ASの場合、比較的若年〜壮年者(45〜65歳)では二尖弁による石灰化の可能性が高く、高齢者(70歳以上)では三尖の変性