先日、日本が少子高齢化で世界一になった、といううれしくないニュースが報じられた。そんななか、少子化対策税制のひとつとして登場してきたのがN分N乗方式。さて、いったいどういうものなのだろうか。 N分N乗方式は、フランスで導入されていた所得税の課税方式で、個人ではなく家族全員の所得から世帯の課税額を計算する方式のこと。フランスではこの方式の導入により、少子化を克服したといわれているスゴイものらしいのだ。具体的な算出方法は、世帯を構成する家族全員の収入を合算し、合計額を世帯の人数(N)で割る。その金額から、所得税率が適用されない一定の控除を差し引き、その残額に税率を適用したうえで、再び家族の人数分(N)をかけて、世帯の納税額を決めるというもの。まあ、簡単に言うと「扶養家族が多ければ多いほど税率が下がる」ということであり、少子化対策にうってつけに思える。 だが、ここで問題がある。このN分N乗方