日本の企業にとっても、また社会全体にとっても、まさに苦難の1年であった2011年が終りを告げ、また新しい1年が始まろうとしている。これからの1年、果たしてIT化を巡る国内企業の投資戦略はいかなる方向に進むのか。また、不透明感を増す日本、そして世界の経済情勢は、国内企業のIT投資にいかなる影響を与えるのだろうか。──CIO/IT部門長に対する調査の結果から、その疑問を読み解く。 プラス成長は維持すれど 2011年、東日本大震災やその後の電力不足、円高、欧州危機、さらにはタイの洪水など、さまざまな逆風に見舞われた国内企業。そのCIOやIT部門長は今、これからの1年に向けてどのようなIT投資戦略を描いているのだろうか──。この疑問への答えを導出するために、ここではアイ・ティ・アール(ITR)が2011年9月から10月にかけて実施した「IT投資動向調査」の結果を用いることにする。 本調査は、国内企