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ブックマーク / book.asahi.com (4)

  • 「大人の思う子ども」への違和感 辻村深月さんが小学校で出会った本「ズッコケ文化祭事件」|好書好日

    多くの人がそうだと思うけれど、小学校の図書室には『ズッコケ三人組』シリーズの棚があった。図書室の一角を占める不動の大人気シリーズ。だからこそ、読む前はなんとなく「大人が薦める児童文学」の象徴みたいなイメージを勝手に持っていた。 その思い込みが根底から覆されたのは、私が高学年になって、最初の『ズッコケ』を手にした時だ。 忘れもしない、『ズッコケ文化事件』。当時からミステリが好きだったので、「事件」と名がついたそのを選んだのだと思う。 三人組のクラスが文化祭で劇をすることになり、自分が主役を演じたいハチベエは、町に住む作家に脚を依頼する。数年前に児童文学の賞を取り、これまで一冊だけを出したことのある童話作家、新谷敬三氏に。依頼を受けた彼は、「仲良しきょうだいとトンカチ山の大魔王」という脚を書く。ハチベエたち三人をモデルにした三兄弟が、魔王に攫われた母親を勇気と知恵で助け出す話だ。しか

    「大人の思う子ども」への違和感 辻村深月さんが小学校で出会った本「ズッコケ文化祭事件」|好書好日
    aukusoe
    aukusoe 2021/07/22
  • 青崎有吾さんが中学生のときシチュエーションに惹かれた映画「笑の大学」 「密室劇」の魅力が凝縮|好書好日

    去年、『早朝始発の殺風景』という短編集を出した。場面転換なし、登場人物2~3人という縛りで、始発電車やファミレスや観覧車の中を舞台にした密室劇のオムニバスである。 書き始める前から、念頭に置いていた作品がある。 三谷幸喜脚、「笑の大学」。 娯楽が規制される戦時下の日。警視庁の取調室で、検閲官の向坂と喜劇作家の椿が対面する。向坂は時勢にそぐわぬ椿の台が気にわず、次々無茶な駄目出しをするが、椿はあの手この手で台を書き直し、むしろ以前より面白くしてしまう。言い争いを続けるうち、二人の間に奇妙な友情が芽生え……というストーリー。 もとはNHKのラジオドラマで、その後舞台化、映画化した。僕は中学生のころ映画版をDVDで見た。ストーリーも大好きだが、何よりシチュエーションに惹かれた。 殺風景な密室内。初対面の気まずい二人。だからといって逃げ場はなく、ゆえに会話をせねばならず、ぎこちないやり取

    青崎有吾さんが中学生のときシチュエーションに惹かれた映画「笑の大学」 「密室劇」の魅力が凝縮|好書好日
    aukusoe
    aukusoe 2020/04/06
  • 「父さんはどうしてヒトラーに投票したの?」書評 我々の社会に重なり合う絵本|好書好日

    父さんはどうしてヒトラーに投票したの? (エルくらぶ) 著者:ディディエ・デニンクス 出版社:解放出版社 ジャンル:知る・学ぶ 父さんはどうしてヒトラーに投票したの? [文]ディディエ・デニンクス[絵]PEF その題名の通り、第2次大戦前のドイツの総選挙で主人公の父がナチ党に一票を入れるところから、この絵は始まる。 ナチ党は過半数を取らなかったが、第一党となった彼らは数週間のうちに全権を握る。それをドイツ国民は熱狂をもって迎えた。 すべて教科書に載っていることである。 ヒトラーは「わが国民が苦難におちいっているのはユダヤ人のせいだ」と言い、ナチは露骨にユダヤ人を差別し始め、それどころか障がいを持つ者さえ滅ぼそうとする。 主人公の少年が語る言葉は絵らしく大きく、また逐一入る細かい解説も最小限の字数で平易だ。 そして何よりも、このドイツの過去の歩みが今、なんと鮮明に我々の社会と重ね合わされ

    「父さんはどうしてヒトラーに投票したの?」書評 我々の社会に重なり合う絵本|好書好日
    aukusoe
    aukusoe 2019/10/07
    “同じ問いがここにある。”
  • 円居挽さんが自分のセンスを信じるのをやめて覗いたインターネット 他人の趣味嗜好を観察し続けた|好書好日

    ここまでの連載で扱ってきたものはいずれも中高生の頃に出会ったものである。どれもこれもや雑誌、あるいは友人からの口コミで知り、大した根拠もなく曖昧に面白がってきた。ある意味ではそれが私自身の限界にもなっていたわけだが、大学に入学してインターネットに触れるようになって全てが一変した(具体的に言うと2002年の春のことだ)。 例えば「仮面ライダー龍騎」や「ガンダムSEED」、私自身はとても楽しんで観ていたがネットでは賛否両論で、毎週放映直後はマニアたちが侃々諤々の舌戦を繰り広げていた。今でこそ古典的名作的な位置に収まっている両作品だが、当時の私は「こんなに面白いのにどうして……」という気持ちで衝突を眺めていた(いや、今となってはアンチの言い分もそれなりにわかるのだが)。 あとはインターネット上で可視化された作品愛を目の当たりにしたのも大きかった。それまでは何の根拠も無く「この作品のことなら誰よ

    円居挽さんが自分のセンスを信じるのをやめて覗いたインターネット 他人の趣味嗜好を観察し続けた|好書好日
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    aukusoe 2019/08/26
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