2021年03月23日10時00分 【市況】武者陵司「米中敵対決定的、日本最重視鮮明、それは長期円安に帰結する」 武者リサーチは2009年設立以来、日本のデフレの最大原因は、米国の日本叩きという地政学的要因によってもたらされた過度の 円高であると主張してきた。超円高によって価格競争力が破壊され、ドルベースでみて超割高になった円建て賃金の、大幅な引き下げが引き起こされた。また、日本の産業集積の海外への移転が急進展した。しかし、米中対決という新地政学環境の下で、この円高デフレの悪循環が決定的に変化すると考える。今回は結論を述べるにとどめ、詳細な検証と分析は今後提供していきたい。 ●米中敵対決定的、米戦略の中核は中国経済の弱体化 米中外交トップのアラスカ会談において、不可逆的な米中敵対が鮮明になった。米国は中国の対外膨張、人権抑圧を絶対容認しないと通告したが、今後レッドラインを引くだろう。昨年、