考古学者、小林達雄氏の話を聞く機会があった。「世界史における縄文の文化力」というテーマで、縄文文化のすごさを教えていただいた。中でも、遊動生活から定住生活への移行、つまり「ムラ」を形成したことが文化を充実させたという説は魅力的だった。 ▼食糧を求めて動き回る遊動生活では、体の弱った老人はついていけず落後せざるを得ない。だがムラに定住することで天寿を全うできるようになった。そこで老人の知恵や情報を子や孫に伝える。ムラは図書館や文化センターの役割を担うようになったという。 ▼小林氏は縄文文化は、世界の中でも極めて進んだ文化だったと考えている。世界のどこよりも早く定住を始めたからだ。ムラの持つ積極的意味である。だが最近、このムラを「閉鎖的」といったマイナスイメージだけでとらえた用語が使われている。 ▼「原子力ムラ」である。福島での原発事故以来、反原発をとなえる人たちが電力会社や行政、大学の原発推
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