京都市南区のマンションで住人の男性(38)が刺殺されているのが見つかったバレンタインデーの2月14日、ひっそりと入籍した年の差カップルがいた。事件から2カ月足らず後に、京都府警に殺人容疑で逮捕された元大学教授の西川克己容疑者(55)と、妻の飲食店アルバイト、麻衣容疑者(25)。その差、30歳。「新婚さん」というにはあまりに不自然な2人と、殺された男性の間に何があったのか。2人が逮捕直後から全面否認を貫く中、事件の真相は多くの謎に包まれている。 ■ウソだらけの経歴でも奇妙な「信頼」 克己容疑者は1、2年前、殺害された男性が経営していた京都の風俗店で客として、麻衣容疑者と知り合ったとみられる。 「なかなかの別嬪(べっぴん)さんだ」。逮捕された麻衣容疑者についてある捜査関係者はこう述べ、「(克己容疑者に)かなりの部分、だまされていたという見方もできるかもしれないな」ともつぶやいた。 克己