【ロンドン=橋本聡】イラク戦争は正しい戦争だったのか?――英国でくすぶり続ける議論を背景に独立調査委員会の証人喚問が24日、ロンドンで始まった。外務省や軍、情報機関の高官らのほかブレア前首相も年明けに呼び出される。「イラク戦争の教訓」(ブラウン首相)を浮き彫りにしようという取り組みだ。 この日は英外務省幹部らが、9・11テロが起きた2001年から、03年のイラク戦争参戦に至る経過をふり返った。メディアに公開され、テレビ中継された。 独立調査委員会は英国政治の伝統的な手法だ。1982年、サッチャー元首相時代のフォークランド紛争と情報機関のかかわりなど、国内で批判の議論が沸騰すると設けられてきた。今回は「ブレア氏が英議会に正しい情報を与えないまま、ブッシュ米前大統領と組んでイラク開戦に走った」という野党や国民の根強い批判を受け、ブラウン首相が設置を余儀なくされた。首相は開戦当時、ブレア政権