「人体実験のモルモットにされた」と訴える元兵士のフェデリコ・ラモスさん(右)。長男ベンハミン・ラモスさん(左)も感染の可能性がある=國枝すみれ撮影 1940年代後半に米政府公衆衛生局の医師らによって故意に梅毒や淋病(りんびょう)に感染させられた中米グアテマラの元兵士らが、毎日新聞の取材に「風邪の注射だと思った」「無知を利用され、モルモットにされた」と人体実験の実態を証言した。実験は第二次大戦で米兵に急増した性病のまん延を防ぐため、米国の強い影響下にあったグアテマラで、開発されたばかりの抗生物質ペニシリンの効能を試すのが目的だった。オバマ米大統領が10年秋に謝罪し、両国政府は「生存被害者」と認定された6人の賠償問題などの解決を目指し、外交交渉を開始する見通しだが、非認定被害者が米政府に賠償を請求する動きも出始めている。【エスカレラ(グアテマラ中部)で國枝すみれ】 グアテマラ中部アカサグアスト