2019年1月から始まる制度改正で相続に注目が集まっているが、「節税したつもりなのに、結果的に税金が高くなった」「遺産分割で親族で揉めた」──曖昧な知識のまま相続に挑むと、後悔することも少なくない。だからこそ、しっかりと制度についての知っておきたいところだ。 夫婦間の相続では、1億6000万円までは相続税がかからない「配偶者の税額軽減」制度がある。 この配偶者の優遇は強力で、何億円もの資産をもつ富裕層でない限り、配偶者に高額な相続税が課されることはほぼなくなる、配偶者だけに与えられた特権だ。 そのため、夫の死亡時、妻の他に子供などの相続人がいても「妻に全額相続させた方が相続税がかからずお得」と考える人もいるだろう。しかし、世の中はそう甘くない。相続コーディネーターの曽根恵子さんが話す。 「相続財産が1億6000万円以下なら夫から妻への『一次相続』時の納税はゼロですが、将来妻が亡くなって子が