夏はサーフィンとカヤックとクライミング、冬はスノーボードにスキーやテレマークスキーと、ニセコをベースに楽しみながら、ガイドをして生活していた私は、2008年3月10日、スノーボード中の事故により背骨を脱臼骨折し、脊髄を損傷して歩くことのできない体になった。 事故は一瞬の出来事だった。その日は休みで朝からいつものようにキッカーを飛んで遊んでいた。これで最後のジャンプにしようと飛んだキッカーのリップが日射によりゆるんでいて、スピンをしようとかけたトゥエッジがとられ、あわててヒールエッジに切り替えた瞬間、バランスを崩したまま空中に逆さ状態で投げ出されていた。頭から落ちないように何とかリカバリーしたが、飛距離が出すぎていて、ランディングバーンを越えてフラットに背中からたたきつけられた。その瞬間、それまで経験したことのない衝撃とともに、打ち付けた背中を中心に頭と足に向かって物凄い電流が流れ、腰から下