だいたい中小企業と言うものは、製造業に限らず世襲で経営者が代々入れ替わるのが通例となっている。 例外的に大企業でも世襲を行っているところもあるが。 数少ない従業員の中から経営者の適任者を探し帝王学を教えて育てるより、氏素性も分かって子供の事からオヤジの仕事ぶりを見せてじっくり背中で帝王学を教えるほうがはるかに手っ取り早くてリスクも少ない。 後継者が社会人になれば数年から十数年、同じ製造業界でいわゆるよその釜の飯を食わせてから自社に戻し頃合いを見計らって、自分は会長職に就き第一線から退き息子に経営を譲る。 中小企業の合理的で日本的な経営引き継ぎの習慣である。 しかし、何もかもこのように上手くいくとは限らない。 後継する気があっても、まだまだオヤジも元気だから製造業界以外で社会勉強をするつもりでのんびりと生活をしていたら、突然社長が亡くなって会社に引っ張り込まれて経営を任されてしまう。 こんな